「ヒロシマを生き抜いた
ひとりの少女と米兵の物語。」
●大切な人を想い出す「8・6」長編小説
貧しいながらも、温かい家族や学校の友人たちと明るく元気に音戸の島で暮らす中学生の君子。その日、幼なじみの文子と広島へ出かけて運命が大きく回り始める。“太陽の破片”に打ちのめされて文子や大切な人を失い悲しみに暮れながら歩き続けていた君子は偶然、山の中の壕で大けがを負った米兵・ジョンと出会う。「うちがジョンを助けなければ……」。その時から、君子にとって長い“ヒロシマ”が始まることになる。
人を想う気持ちやかけがえない生活の尊さを描写しており、戦争世代だけでなく中高生や家族で一緒に読んでほしい、心の襞(ひだ)にすっと染み入る今夏の一冊。
「第1章/祈りの畔(ほとり) 第2章/箱の中の暑い夏 第3章/遠い空の彼方へ」
●広島県在住の現役医師が手がけた第3作目
『蒼い月』(LGBT、HIV感染に焦点をあてたヒューマン小説。幻冬舎刊・2017年)、『輪舞曲(ろんど)――Zellen』(脳神経外科医による長編医療サスペンス。南々社刊・2020年)に続く、第3弾。
●著者紹介/原田クンユウ(はらだ・くんゆう)
1963年東京、目黒区生まれ。広島市育ち。広島大学医学部医学科卒業、広島大学大学院医学系研究科修了。日本学術振興会特別研究員として悪性脳腫瘍の研究に従事。医学博士。ドイツ政府国費留学生(DAAD)としてハノーファー医科大学留学。脳神経外科専門医として広島、福岡の病院で活躍。広島県内島しょ部の公立病院にて病院長として地域医療に従事。2016年覚せい剤取締法違反で執行猶予付きの有罪判決。浄土真宗本願寺派中央仏教学院にて親鸞聖人の教えを学びながら社会復帰し、現在、広島県内の病院にて脳神経外科医・リハビリテーション科専門医として活躍中。医師・宗教家の立場から、薬物犯罪者やHIV感染患者の社会復帰支援、LGBT に対する差別撤廃に尽力している。著書に『蒼い月』(幻冬舎)、『輪舞曲(ろんど)――Zellen』(南々社)。「びんご経済レポート」(備後レポート社) にエッセー「おやじの放浪記」を好評連載中。
原田クンユウ 著
●2021年6月19日発売
四六判、304ページ
定価1300円+税