古希を迎え、体の衰えと向き合う日々を過ごすトシ。ある日、青春時代の思い人・蘭子と半世紀ぶりに再会。彼女のいまの境遇、そして「被爆2世」だと知ったことをきっかけに、現在の平和に対する思いが過去の記憶とともに溢れ出す――。 ヒロシマに生きる作家の静かな怒りと、祈りを込めた物語。 核兵器廃絶を願う、紙礫(かみつぶて)。