●2008年7月16日発売
本書は、単なる高校野球礼賛記ではなく、下記のようなメッセージを基本にしています。
うなぎ偽装や飛騨牛偽装など、嘘が当然の世の中になってしまっているような時代、真っ正直に、駆け引きなしに、とてつもなく「本気」に生きる高校生たちの姿を描いています。
広陵OBの著者が、昨年の夏の甲子園決勝を小説風に再現。北海道の中学校で陸上部を指導する著者が、部員3人を引率して、1回戦で駒大苫小牧と対戦する広陵の応援に駆けつける。駒苫を破り、快進撃する広陵。準決勝、決勝の応援に再び甲子園へ。しかし、決勝でまさかの敗戦。
決勝までの軌跡の中に、中学陸上部の部員との葛藤、成長を織り交ぜ、「一生懸命」生きることの大切さを描く。
「勝つこともあれば負けることも当然ある。しかし紛れもない事実は、一生懸命やった人にしかわからなかった“本物”に触れたことだ。自分が主役の本物のドラマというと、言い過ぎだろうか」
著者はそこで、甲子園と中学の部活動という規模の差こそあれ――5万人で埋め尽くされた甲子園球場とは比較にならないほどささやかなものだが――「本気」でやっていることの価値は同じだとの思いを込める。
金本選手の推薦文「人生の本質を感じる物語です」は、このことを示唆しています。
著者略歴
山田 良純(やまだ・よしずみ) 1969年広島市生まれ。広陵高校OB。福岡県の大学を卒業後、20代は様々な職種を転々とし、資金を貯めてはカヌーで川下りをした。これまで、ノアタック川(アラスカ)、ユーコン川(カナダ)、ワイアウ川・ワンガヌイ川・ワイラウ川(以上ニュージーランド)などを下った経歴を持つ。現在、北海道の公立中学校に勤めて11年目を迎える。美術科教諭。
山田 良純 著
定価1400円+税
四六判 190ページ